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歳を取ると作品を見る目が変わることもあるという話

歳を取ると食べ物の好みが変わるというのはよく聞く話ですが、オタクの漫画・アニメ・ゲームなどの作品に対する気持ちにも、同じような現象はある気がします。

同人をしていた頃、私より年上で、若い頃はエログロ系や胸糞系などの過激な作品が好きだったという人が「最近はそういうのは見ていてツラくなってきた。平和で優しい作品を見たい」と語っているのを見たことがあります。当時の私は「歳を取るとそうなるのかー」と他人事のように思っていましたが、今ならかなり共感できるかもしれません。

私も、学生の頃に読んで大爆笑していたブラックな内容のギャグマンガが、今思い返すと「闇深すぎて全然笑えない」と感じていたりします。作品名は伏せますが、あの内容で笑えるのはかなり若いうちだけかもなと、そういう作品は確かにあります。

逆に、若い頃は退屈だったり面白くないと思っていた作品が、歳を取ると良さが分かってきたというパターンもあります。若い頃から現在までずっと楽しめている作品も、どの部分が面白いと感じるかは年齢によって変わってくる場合があります。

年齢のせいでそこまで嗜好が変化するとなると、数年ではなく数十年レベルの話になるのではないかと思います。コミケが誕生したばかりの頃の漫画アニメオタクがそろそろ本格的に高齢者になりつつある昨今、ようやく考えることができるテーマではないでしょうか。

あと、これは「年齢」と言うよりは「時代」の変化によるものだと思いますが、昭和時代の感覚だと普通に流せたりギャグで済んでいた描写が、令和になった今見ると、なかなかの差別表現だったり女性蔑視だったりして「コレ今だと炎上するよねwwwww」と苦笑することも結構あります。

これは個人的には、古い作品の場合はその時代の古典ということで許して欲しいです。
古典の内容が現代の感覚と違うのは当たり前のことで、その違いが漫画やアニメでも感じられるようになったほど、オタクコンテンツの歴史も長くなってきたというわけです。

子供の頃大好きで普通に見ていた作品の中にあった言葉が、今は修正されたり削除されているのを発見して「えっ?今はこの表現ダメなの!?」と驚くこともあります。
子供の頃の私は、将来こんなことになるとは予想もしていませんでした。

でも、20代の自分と40代の自分でかなり考えが変わることに気付くと、これから60代、80代になった時にも、また違う価値観が自分の中に生まれてくるのだろうなと予想できます。
私個人の経験や感覚と、未来の時代背景が合わさって、作品を見る目はどんどん変わっていくのだろうと考えると、それを体験するのが今から楽しみです。

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コメント

  1. ミナト より:

    こんにちは。
    私は30代半ばなんですが、人生の半分以上オタクをしていると感性の変化を感じる部分はあります。

    ここ数年でいくつか昔嵌っていたアニメ作品を見返す機会があったのですが、初めて観たのが小〜高時代のものなのでいくらか感想が変わりました。当時殆どキャラ萌えで観ていたものが、世界観・作品設定に目を向けるようになったり。昔はちょっと勿体無い事をしただろうか、なんて思っちゃいます。

    時代による表現の変化や規制はたまに感じます。
    昔は割と子供に向けた作品でもお色気描写がある作品を見かけたのですが、最近は同じくらいのターゲット層を想定した作品を少し観る機会があったり感想記事を見かけてもそういう作品は少なくなったのかな、というのは感じます。やっぱりクレーム対策なのかなーと。

    記事内の方が言っていた「平和な作品が見たい」ってのは最近よく分かります。これは年齢というよりはここ数年の環境の変化に因るものとは自覚してますが、以前は放送を楽しみにしていたとある作品の続編を観るのにしんどく感じて手を出せなくなった時はちょっとショックでした。

  2. ヒロコ1号 より:

    >ミナトさん
    こんにちは。私も、幼稚園の頃に見ていたアニメを30歳過ぎてから全話見直して、ストーリー構成の上手さやテーマの深さに感動したことがあります。
    リアルタイム時は「キャラが可愛い」としか思っていなかったので、幼稚園の頃の私はこの作品の何を見ていたんだ頭悪すぎるだろと、自分でツッコんでしまいました。

    でも、子供の頃のシンプルな感想も、それはそれで大事な記憶なのかもしれません。
    子供向け作品のお色気描写については本当に、昔と今で明確な違いがあると思います。
    今は令和の感覚で現代の作品を楽しんでいますが、その状態で昔の作品を見返すと「オイオイオイ大丈夫かコレw」ってなるんですよね。自分の意識がアップデートされた証拠です。

    長く生きてツライ経験も増えた後だと、そのツラさを思い出してしまうような作品は見るのがしんどくなります。記事内の方も「悲惨な内容はもう現実で味わっているから、架空の作品は平和であって欲しい」とおっしゃっていました。若い頃はヌルい内容の作品をバカにしていたらしいのですが、今は優しい世界が一番だと…私も今はこれに同意です。

  3. 中年の冒険 より:

    こんにちは。
    前にもコメントしたオタク趣味もある一般人です。

    私がある作品にハマり、公式イベント・グッズ・二次創作の読み専などのオタ活にまで突っ走ったのは、まさに数十年レベルで感性・見る目が変わったからです。

    若い頃なら「ないわー」の一言で終わりの作品・登場人物を、人生経験を積んで受け入れる余裕ができた隙を突かれて沼に落ちました。

    自分がどの時代に、どの年齢で、どの作品に出会うか、さらにハマるか、くり返し味わう時間があるかは分かりません。嗜好の変化を考えるためにも多くの作品に触れたいと思いました。

    また、一定の時間が経った作品は、媒体を問わず「作品当時の時代背景を鑑みて、原文・原画・映像のまま収録しました」の注意書きが必要になりそうですね。古典芸能やオペラなどは現代の感覚だとぶっ飛んだ設定が、芸術と受け取られています。改変するより、当時の感覚・空気感を残してほしいです。

  4. ヒロコ1号 より:

    >中年の冒険さん
    こんにちは。歳を取ってから好きになってきた作品は、その出会いがとても尊く感じます。
    特定の作品への感想は、自分が生まれた年代によっても変わるでしょうから、もし自分がもっと早く(遅く)生まれていたら、全然違う感じ方になるかもしれないと思うと面白いです。

    以前のコメントで奇面組のこともご存じと伺いましたが、最近、3年奇面組の初版コミックスと現在販売されている電子書籍を読み比べる機会がありました。奇面組のようなあまり過激な描写は無い作品でも、修正されている箇所がちょくちょくあって驚きました。

    他の古いアニメでも、問題があるとされる台詞の音声が消されて、前後の台詞の繋がりが不自然になっていたりすることがあります。出版や放送をする側の事情も分かりますが、私も改変するより注意書きをしてそのまま残すほうが良いと思います。当時の形のまま残っている本や映像が今は貴重なものになるなんて、昔は予想もしていませんでした。

  5. 中年の冒険 より:

    返信ありがとうございました。

    作品と出会ってから4年以上が経ち、積極的に情報を追いかけることはなくなりました。情熱が落ち着いていくさみしさを経て、供給を穏やかに受け入れる心境です。

    と、このまま終わるつもりが、記事のおかげで時間をおいて作品を観る楽しみを知りました。久々に鑑賞したら面白かったです。周りの盛り上がりに関係なく、作品そのものを味わえた気がします。数年ではなく数十年単位で考える余裕が大切ですね。

    奇面組のことを覚えていてくださり嬉しいです。
    初めて奇面組を見たのは小学生の時、ジャンプ本誌でプロレスの話でした。顔の怪我の表紙が子ども心に怖くて、しばらく連載が追えなかったです。

    このように過激な表現に感じたとしても、時間が経って楽しめる場合もあります。またリアルタイムの読者として、どこが修正されたかも気になるので、それらを比べるためにも、当時の姿を見る機会は残してほしいと思います。

  6. ヒロコ1号 より:

    >中年の冒険さん
    だいたい10~20年くらい経つと、世の中の価値観や常識とされるものが変わってくると私は感じているので、それなら自分自身の「物を見る目」もきっと変わっているはずです。
    数十年前に見たことはあるけど、すべての内容を細かく覚えてはいない作品などは、今見直すと予想以上に新鮮に感じて驚くことが多いです。

    奇面組のほうは、小学生の頃に全話の内容をしっかり覚えるほど読みましたが、その内容に対して感じることは年齢とともに変わっている気がします。ただ、そのことに自分で気付けたのは30歳を過ぎてからでしたので、この遊びはやはり年寄りだけの特権のようです。
    プロレスの話は確かに、人によってはグロいと感じるかもしれませんね。

    修正された昔の作品を見ていると、申し訳ないのですがやはり(たとえヤバイ描写でも)当時の形のままが良かったと思ってしまいます。今作られている作品は今の表現で良いと思うと同時に、昔の感性で作られた昔の作品は、そういうものとして残しておいてほしいです。