同人活動の思い出/無料配布サークルをやってみた時の思い出と感想

実は私は、同人活動をしていた23年間のうち、最後の3年間だけ自分の同人誌をすべて無料配布していました。今回はそうすることになった経緯と、やってみた感想を語ります。

とあるジャンルにいた頃、同カプの描き手さんの中に、発行した同人誌をすべて無料配布している人がいました。イベントではいつも、スペースの机の上に本を積み上げて「無料ですのでご自由にお持ち帰りください」と書いたボードを立てていました。

イベントが終わる頃には本は全部無くなっていて、その人は身軽な状態で帰っていました。
本の中身は後日ピクシブにも上げられて、本が手に入らなかった人も読むことができました。
有料本なら買った人から文句が出そうですが、無料本なので何の問題もありません。

それを見た私は「カッコイイ!あれがアリなら私も真似したい!」と感動したのです。

当時の私は、作品をネットでも見てもらえるようになった時代に、二次創作の同人誌でお金を取ることに個人的に疑問を持つようになっていました。もしも確定申告が必要なほどの売り上げがあったのなら、その辺のことは見て見ぬフリをしてお金を取っていたと思いますが、私の実力では印刷代とイベント参加費がギリギリ回収できるかどうかという感じでした。

どっちみち儲かっていないのに、1冊何円とか、ちまちまとお金を取る意味はあるのか?
私の目的はお金ではなく「同じ趣味の人に見てもらうこと」なのだから、こんなことで悩むくらいなら全部無料にしたほうが気持ちがラクになるのでは?と、長年考えていました。

だから、同カプで無料配布サークルをしている描き手さんを見つけた時は、とても救われた気分になり勇気をもらえました。そこで私も、無料配布サークルをやることにしたのです。

有料で頒布した本の中身はネットでは絶対に公開しませんでしたが、無料配布サークルになってからは描いたものは全部サイトに上げて、後日まとめて無料本にしてイベントで配りました。
サイトの再録であることを明記して「ご自由にお持ち帰りください」と案内しました。

これは「サイトの漫画を本の形で持っておきたい」という人にはとても好評でしたし、それまで私のことを知らなかった人が無料本をきっかけにサイトに来てくれるようにもなりました。
より多くの人に見てもらうには、こちらのほうが絶対に有効だと感じました。

以前は本の値段を安くするために地味な装丁にして印刷代をおさえていましたが、無料で配ると決めたら逆に印刷代が気にならなくなり、いろんな装丁を試すのがとても楽しかったです。
凝った装丁なのに無料ということで驚く人もいましたし、無料と書いてあるのに気付かず財布を取り出す人もいました。中には「有料でも買うのに」と言ってくださった人もいました。

また、無料配布サークルには「お金のトラブルが発生しない」「お釣りの小銭(重い)を用意しなくていい」「スペースを無人にしても大丈夫」という利点もあり、これまでのストレスは何だったのかというほど快適になって、もっと早くこうしていればよかったと思いました。

儲けるためにやっている人にとってはあり得ないやり方だけど、本は作りたいし読んでもらいたいけどお金はいらない&印刷代その他を全額自己負担できる人なら検討してみても…と言いたいところですが、私のこういう考えは、同人界隈では非常にイレギュラーなものです。

もしも大手サークルが同じことをしたら大混乱をまねくでしょうし、イベントに参加しているすべてのサークルが無料配布サークルになったら現場がどうなってしまうのか、想像するととても恐ろしいです。なので実際は、誰にでも安易にオススメできるものではありません。

ですが、同人界隈の常識から解放されて精神的に自由になれるのは間違いないです。
自分のサークルの規模や財力と相談して、こっそりと自己責任で行うならアリだと思います。

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コメント

  1. せせせ より:

    ウェブで作品を公開しているので、イベントに出たいとき、この方法は魅力的だなぁと感動しました。小説書きですが、いろいろリサーチしてみると、漫画よりも手にとってもらえる確率が少ないというのを知ったので。それならばと、無配の小説コピー本作りたいなと思いました。
    イベントを純粋に楽しめるアイデアですね。

  2. ヒロコ1号 より:

    >せせせさん
    普段はウェブで活動しているけどイベントにも出てみたいという人には結構良いかもです。
    オフセットで無料配布だと驚かれることもあるけど、コピー本なら気軽に手に取ってもらいやすいと思います。私もこれはイベントを純粋に楽しめるアイデアだと思いますが、作り手側からはあまり理解されなかったので、周囲と違うことをする勇気は必要になりますけどね。