カラヴァッジョ展

「カラヴァッジョ展」を見てきました。開催会場と期間は以下の通りです。

2019年12月26日(木)~ 2020年2月16日(日) あべのハルカス美術館

チケットに印刷されている「法悦のマグダラのマリア」は、2014年に発見された作品です。
カラヴァッジョが殺人を犯した後の逃亡生活中に描いたものとされています。

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョは、バロック期のイタリア人画家で、ルネサンス期の後に登場し、同時代や後世のヨーロッパの画家たちに大きな影響を与えました。

20歳くらいの頃にローマへ行き、最初は貧しかったけれどやがて才能を認められて、教会から制作依頼を受けたりパトロンが付いたりします。が、激しい性格でよくケンカや決闘をして、傷害事件や名誉棄損などで何度も逮捕されていました。画家がリアルファイトってどういうことなの?と最初は思いましたが、よくよく考えてみれば「いや、アリだな」と納得しました。

私は、中学生や高校生の頃は「絵を描いているような人は穏やかで大人しい人ばかりで、運動部の人のように好戦的ではない」と考えていました。これは今思えば、私自身が運動嫌いで漫画を描くことを趣味にしていたため、無意識に事実を歪めて見ていたのでしょう。

相手を直接殴らないだけで、オタクがやる嫌いな相手への攻撃は決して穏やかでも大人しくもありませんし、インドア趣味の人が争いを好まないなんて誰が決めたのかという感じです。
創作活動に情熱を燃やす人の内側に秘められた攻撃性をナメてはいけないことは、ネットが登場してからよく分かるようになったかもしれないなーと思っています(・∀・)

それはともかく、ネットなど無くてもリアルで暴れまくったカラヴァッジョは、1606年についに人を殺してしまいます。決闘で相手を刺し殺した彼は死刑を宣告されてローマから逃亡しますが、逃亡生活中もずっと絵を描き続けていました。その後、恩赦を受けるためにローマへ戻ろうとしていた途中で病気にかかり、38歳で亡くなりました。

短く鮮烈な生涯の中で、彼が残した作品はわずか60点ほどです。
今回の展覧会では、日本初公開のものを含むカラヴァッジョ本人の作品と、彼に影響を受けたり関わりがあった他の画家たちの作品も集めた合計約40点が展示されています。

展示作品の数は少なかったのですが、その分ひとつひとつに丁寧な解説が付いていました。
カラヴァッジョと仲が悪かったと言われるバリオーネの作品もありました。カラヴァッジョはバリオーネを中傷する詩を作ったとして名誉棄損で訴えられ、投獄されたこともあるそうです。
絵の熱量だけで凄いのに、絵以外のことでもエネルギーが有り余りすぎだろと思います。

カラヴァッジョの作品は、数は少ないのにどれもインパクトが強くて、ガチで全部良かったのでどれに言及しようか迷ってしまいます。光と影のコントラストの美しさは、公式サイトや案内チラシにも載っている「リュート弾き」(画像はWikipediaより引用)を見てもよく分かります。

Caravaggioapollo

会場では、この絵に描かれている楽譜の曲が聴けたりと、面白い仕掛けがありました。
絵のモデルは一見女性っぽいですが、カラヴァッジョのパトロンであるデル・モンテ枢機卿の邸に住んでいたカストラート(去勢された少年歌手)だと言われています。聖職者のため女性と交遊できない枢機卿は少年たちと交遊を楽しんだという、腐女子がザワザワする感じのよくある史実です。

あと、引用できる画像が見つからなくて残念なのですが、めっちゃ歯を抜かれてる「歯を抜く人」もお気に入りです。時代的に当然麻酔は無しで、死ぬほど痛そうなのに見入ってしまいます。
他の絵も、当時としてはストレートな表現や、人物の豊かな表情が魅力的な作品ばかりでした。

カラヴァッジョ以外の画家たちの作品も面白いものが多かったし、この展覧会では展示されていないカラヴァッジョ作品も調べてみたらとても興味深いのですが、全部語るとキリが無いので、この記事はここまでにしようと思います。本当にめちゃくちゃ濃い展覧会でした。

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