ラファエル前派の軌跡展

「ラファエル前派の軌跡展」を見てきました。開催会場と期間は以下の通りです。

2019年10月5日(土)~ 12月15日(日) あべのハルカス美術館

ラファエル前派とは、1848年にイギリスで結成された前衛芸術家のグループです。

当時の美術学校はルネサンスの巨匠であるラファエロの画風を至上としていて、それ以外の表現を認めない風潮がありました。それに反発してラファエロ以前の表現に立ち返ろうとしたのがラファエル前派のメンバーたちでしたが、彼らは画壇から激しく攻撃されます。

…何ですかその「大手サークルの解釈に従わないとハブられる」みたいなヤツは( ゚д゚)
ヴィクトリア朝の画家と腐女子にまさかの共通点が!と驚きましたが、それはともかく…

ラファエル前派は、ラファエロの均整のとれた絵画を人工的で形式的だと考えました。
そこで、彼らを擁護した美術批評家ラスキンの「芸術は自然を忠実に再現すべきである」という考え方を精神的支柱にして、自然をありのままに描写することを目指しました。

ちなみに、ラファエロはイタリア人なのでイタリア語読みで「ラファエロ」と書き、ラファエル前派はイギリスで結成されたグループなので英語読みで「ラファエル」と書くそうです。

ラファエル前派は伝統絵画の決まり事にとらわれなかったせいか、各々の作風に幅があります。
伝統絵画と同じく神話や歴史を題材にすることもありますが、その解釈はかなり自由です。

ミレイの「滝」はまさに自然をそのまま描写した感じで、でも写真とも確実に違う美しさです。
レイトンの「母と子(サクランボ)」に描かれているサクランボのみずみずしさも凄いです。

私は同人活動をしていた頃、漫画の絵においてもリアルな絵柄がデフォルメ絵よりも偉いと主張する人たちが嫌いでした。でも美術館に行くようになって本物の精密な絵画というやつを見たら、その人たちが押し付けてくるリアル()がとてもショボイものだと気付きました。
なので今は、そんなトラウマも忘れることができました。脳が洗われて生まれ変わった気分です。

チケットに印刷されている「ムネーモシューネー(記憶の女神)」を描いたロセッティは、他のメンバーのような精密な描写は得意ではなかったようですが、華やかでインパクトのある女性の絵が印象的です。他にも「王妃の私室のランスロット卿」など、円卓の物語を題材にした作品もいくつか展示されていて、FGOプレイヤーとしてもつい反応してしまうラインナップでした。

実は、一部の作品は写真撮影可能だったのですが、絵がガラス板で保護されていたので、どうしても私や他の人の姿が反射してしまいキレイな写真が撮れませんでした。他のレビューサイトなら画像も見られると思いますので、ご興味のある方は探してみてください(丸投げ)

ラファエル前派は、美術学校が規範とするラファエロという枠に反発して結成されたもので、芸術運動としては明確な理論はありませんでした。さらに女性をめぐるトラブルもあり、グループとして長続きせず1853年には事実上解体しましたが、後世の多くの画家たちに影響を与えました。

ていうか出品リストに載ってるコレを見たら、絵よりも女性関係のほうがすごくね(以下略)

ですが、今回の展示で私が一番ツッコミを入れたかったのは、ラスキンが批評家のはずなのに本人も絵がうますぎることです。彼の「芸術は自然を忠実に再現すべきである」という考え方の通り、対象をしっかりと観察した緻密な素描に圧倒されました。

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