同人活動の思い出/原作に対する理解度についての話

流行ジャンルで本を作って儲けようとする人を「イナゴ」と呼びますが、そういう人は、そのジャンルの原作の内容にはまったく興味が無いことも多いです。

なので「今はこのキャラ描けば売れるんだろ?よく知らんけど」みたいな感じで、原作を見ていないどころか、原作の内容を何も調べずに本作りに取りかかる猛者もいます。
流行とは一瞬で過ぎ去るものだから、イナゴ活動はスピードが命なのです。

今はどうなっているか私には分かりませんが、昔はなかなか愉快な同人誌もありました。
敬語を使うキャラの口調がタメ口になっていたり、その逆もあって「誰だコレ?」といった感じのものや、キャラや作品世界の設定を思いっきり間違えているものもありました。
キャラの服装や髪型も、公式の絵すらちゃんと見ていないのか、あやふやなものもありました。

爆発的に流行したジャンルにはそんな本も存在していて、本当にそのジャンルが好きな人は同人誌を買う時に注意が必要でした。特にキャラの口調が間違っているのはかなり萎えます。
私個人の感覚では…

売れそうなジャンルで本を作って儲けたい→わかる
原作には興味が無いので、原作を全部見るのは面倒くさい→わかる
キャラの口調も調べずに同人誌を作る→わからない(´・ω・`)

…という感じです。ブームになるような人気作品なら、原作を見なくても、だいたいのあらすじやキャラの設定などはちょっと調べれば分かるはずです。
その手間すらかけず、原作ファンからはツッコミ所満載の同人誌を作って、本当にそんなに儲かっていたんだろうか?と、イナゴと交流が無かった私は思うのです。

あと、好きでもない上によく知らない作品の二次創作なんて、どうやって描くんだ?という疑問もありましたが、エロだったらやる事は同じだし問題は無いかもしれませんね。

昔、人づてに聞いたのですが、とあるエロ同人作家が、キャラの顔を描かないで身体だけを描いたエロ漫画の下書きをしていて、下書きが終わってから「今は何が流行っているの?」と言いながらアニメ雑誌をパラパラめくって、自分の漫画の下書きの顔に人気キャラの顔を描き込んでいたという話があったそうです。ここまで来ると逆にカッコイイです。

ただ、ここまで吹っ切れてはいなくても、二次創作はそもそも非公式のものなので、健全な内容だったとしても、作者個人の解釈や願望は多かれ少なかれ混じってしまいます。

それに、ちゃんと原作が好きで全部見ていても、ウッカリしていたり、その人の中ではあまり重要視していない設定だったりすると、イナゴではなくても間違えてしまう時もあります。
そこをツッコまれて、イナゴではないのに痛い目に遭ったという人もいます。

なので、間違いは萎えるかもしれないけど「間違っている=すべて悪」とも決めつけられない気がします。少しくらい間違っていても、二次創作として面白いと思える作品もあります。
どの程度までの間違いなら許せるかというのも人によりますし、判断の難しい話です。

ただ、明らかにまったく原作に愛が無いと思われるイナゴの本を買ってしまった時は、正直悔しかったです。すみやかに中古ショップへ売りに行ったとしても、一度買ってしまったなら、イナゴにお金を渡してしまったことになりますので。

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