病草紙/眼病の男

はるか昔、私が大学に通っていた頃、大学の図書館で見たある1枚の絵がとても印象に残っていました。今になってまた見たくなり、ネット上で探してみました。
その絵は本に載っていたのか、別の形で見たのか、それはよく覚えていません。

こう書くとなんだかロマンチックな絵画のようですが、その絵の内容は「医者が患者の目に針を刺して“手術”している絵で、絵の説明文ではその手術が失敗したと書かれている」ものでした。
まったくロマンチックではありませんが、外国ではなく日本のものでした。

それらのヒントをもとに検索してみたところ、見つかりました。

Yamai no Soshi - Eye Disease (part 1)
病草紙 – Wikipedia より

これは「病草紙(やまいのそうし)」という絵巻物の絵のひとつで、医者が男の目に針を刺しています。画像をクリックすると拡大したものが見られますが、男の目からは血が吹き出していて、横にいる女が入れ物で血を受け止めています。絵の詞書き(説明文)によるとおそらく白内障の治療とのことですが、失敗して目はつぶれてしまったようです。

この後のことは描かれていないので、男が医者を医療事故で訴えたかは不明です。
ただ、麻酔というものが登場したのは19世紀頃なので、この病草紙が描かれた平安時代末期から鎌倉時代初期には無かったよねと考えると、この男すごすぎませんか?

後ずさったり痛がる様子も無く平然と目に針を刺されてるし、血を受け止めてる女の表情も笑っています。大惨事なのにどこか落ち着いていてとてもシュールです。

ていうか、大学生の頃それなりに真面目に勉強した私の正直な感想として、昔の日本の物語などの記述って全体的にユルいというかツッコミ所満載で、いろんな意味で面白いです。
これもそういう何とも言えない空気で印象に残っていたんでしょうね。

病草紙には、この「眼病の男」以外にもインパクトのある「病」の絵がありますので、興味のある方は上のWikipediaのリンクから他の絵もぜひ見てくださいね!(なぜか宣伝)

ともかく、探していたものを発見できて私はとても満足です。
そしてコレ国宝だったのか…という脱力感にも同時に襲われています。

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